Federico Fellini “La città delle donne”

知人が大好きだというので、久しぶりに見た。楽しい映画だった。いつもの女性への好奇心からからフェミニスト村に迷いこんだ主人公。逃げようとするが、色情狂の農婦やパンクの若い女性に追い掛け回されたり……。散々な思いをしていると、女を10万人もものしてきた巨根博士の館にたどり着き、そのコレクションにうっとり。だがここもフェミニストによって取り壊し寸前、しかも妻になじられる。そこに、妖精のような女が男を誘い、タップダンスで愉快に踊るが、またしても妻が…。ベッドの下の滑り台を降りると過去の女たちの幻影が次から次へと現れる。それもつかの間、再度、フェミニストに捕まり判決が下るが、気球で逃げ…。これは女への恐れと憧れに惑わされる続ける男の夢だった。

本作は、サーカスのような奇想天外さ、シュールレアリズムのような幻惑性がさく裂した感がある。美術的には、能面からエロティックな舌が出てきたり、東洋趣味も楽しい。甘い感じの音楽も色男のダメさに実によくマッチしている。