Sofia Coppola “Lost in Translation“2003

日本に来て、結婚の退屈さにハタと気づいてしまう中年の俳優ボブと自分がまだ何者か分からない若い女性シャーロットの淡い出会いと別れ。映像といい、話の展開という非常に秀逸な映画だった。

異国の旅というのは、ものごとがスムーズにいかないからこそ、自分のあり方を照らしてしてしまう。シャーロットの苦しみは、恵まれた若い人にはありがちだが、抑えた演技でとてもリアルに表現されていた(こういう娘いるよねと思った)。対するボブも若い女性に惹かれつつ、寝てしまわないでサポートに徹したところも好感が持てた。わずか1週間ばかりの異国での夢のような物語。