クレイマー、クレイマー

 離婚後の共同親権に関するあるエッセイで触れられていたので見た。

仕事中毒の夫に対して、主婦に満足できず、家を飛び出す母親。妻に去られた父親は、最初は家事・育児もぎこちなく、仕事も上手くいかず、子どもに当たるが、徐々に様になり、次第に育児パパぶりが身についていく。妻とは監護権をめぐって訴訟になり、妻が勝訴するが妻は結局、父親に子どもを委ねるのだった。

 年代設定を見てみると、この夫婦が結婚したのが、69年、子どもが7歳だから75年以降の出来事ということになる。つまり、1963年にベティ・フリーダンの『女らしさの神話』が出て、ウーマン・リブが盛り上がった直後の映画。妻がカリフォニアに行って自分を見つけるというのも「ありそう」。女性の自立という問題が10数年以上日本より早い。

 父母の間を揺れ動く子どもの気持ちがよく描けていると思った。子どもにとって、父母のいさかいは、やはり辛いものらしい。