Éric,Rohmer “Ma nuit chez Maud”,1969

かつて冬のモノクロ映像と音楽がない映像にとても引き込まれたのを鮮明に覚えていて、自主上映会に足を運んだ。冒頭、主人公(34歳)と旧友がパスカルの「確率と運」「宗教」について「人生に意味があるかないか、どちらに賭けるか?」といった哲学的な会話を交わす。これが後の男女関係の伏線になっている。

 次の晩、二人は離婚したばかりの美人・モードと彼女宅でおしゃべりをし、主人公とモードはお互いの愛を語り合い、かなりいい感じになるのだが、主人公は何もしない。翌日、雪の中で二人はキスをするがそのまま。大変魅力的なのに主人公はなぜモードを選ばないのか?直後、前から結婚の予感を抱いていた女性との仲が急展開し、結婚する。                           5年後浜辺で主人公、妻とモードは偶然再会する。妻はモードの元夫の不倫相手だった。

 運と確率、そして人間の幸福というテーマを匂わせてのエンディングであった。